自殺に追い込まれていくプロセス





出典:張賢徳,『自殺予防の基本戦略』,中山書店,2011
(作成 : 張 賢徳)一部改稿
自殺は、その多くが「追い込まれた末の死」です。自殺は、人が自ら命を絶つ瞬間的な行為としてだけでなく、人が命を絶たざるを得ない状況に追い込まれるプロセスとして捉える必要があります。
ここでは、自殺に追い込まれていくプロセスについて説明します。
自殺の背景には、様々な社会的要因があります。
勤めていた会社が経営不振になって、生活に困ってしまった。学業や友人関係がうまくいかない。
このようなことがおきると、気分が落ち込むことがあります。
さらに社会とのつながりの減少やサポートが不足すると、不安でいっぱいになり、夜も眠れなくなることがあります。
無力感に襲われ、もうどうすることもできない、「生きていても役に立たない」という考えになることもあります。
そして追い込まれていき、自殺以外の選択肢が考えられない状態(心理的視野狭窄)に陥るとされています。